小説『Thrawn Alliances』の一部抜粋が公開


スローンを主人公とした正史小説の第二弾『Thrawn: Alliances』(7月24日発売予定)の一部抜粋が公開されています。

以前から小説にはベイダーも大きく登場することが紹介されていたのですが、今回の抜粋にもベイダーが姿をみせています。一部抜粋にも関わらずかなりワクワクさせる内容で、楽しみな作品となりそうです。

今回明らかになった内容を簡単にまとめると、

  • タイムラインは『反乱者たち』のシーズン3とシーズン4の間
  • パルパティーンから特別任務を受け、ベイダーとスローンが惑星Batuuに向かう

というストーリーのようです。

惑星「Batuu」という名前を聞いてピンときた人もいるかもしれませんが、これはディズニーランドのアトラクション「Star Tours: The Adventures Continue」で最後に到着する場所で、現在アメリカで建設中のディズニー・パークもそこにあるという設定だそうです。

©Disney / Lucasfilm

今回の一部抜粋ではこの惑星Batuuが言及されます。アウターリムに位置する辺境の惑星で、スローンが元々いた未知領域も比較的近い場所にあるようです。ちなみに本文の中で登場する”チス”とはスローンの種族のことです。

それにしても、ベイダーとスローンのふたり旅はかなり興味がそそられます。4月にはハン・ソロとランドが一緒に冒険をする『Last Shot』がリリースされるので、もしかするとそれにぶつけてきたのでは?とも感じられます。向こうはライトサイド、こっちはダークサイドのコンビなのですが、ベイダーとスローンは緊張感のある、一歩間違えば一触即発もありえる危険な旅となりそうです。

『Thrawn: Alliances』の一部抜粋

©Disney / Lucasfilm

「フォースに乱れを感じる。」

皇帝パルパティーンはそこで言葉を止める。王座の前に立つふたりの男に思いをめぐらせながら、彼らの反応を待つ。

いや違う。彼らは男などではない。男というのは取るに足らない哀れな生き物にすぎない。支配され、脅され、戦場に送られ死ぬためだけの存在だ。ここにいるふたりはその遥か上に位置する。

天才的な戦術家、チスの大提督。冷酷で強力なフォースの力を持つ、シス卿。

ふたりはパルパティーンを見つめている。なぜいったい今日この場に招集されたのか、その意図を探ろうとしていた。スローン大提督は皇帝の声、表情、身体の姿勢を注意深く観察する。一方のベイダー卿は、それとは対照的にフォースを師の周りに張り巡らせる。

パルパティーンはそれら全てを感じていた。しかし同時に、ふたりの間に緊張状態が存在するのも感じ取っていた。最も重宝しているこのふたりのしもべ。

この緊張関係の原因は、帝国の中心に立ち、皇帝の一番そばに仕えるのは自分だとの思いがあったからではない。それは単に一要因にすぎなかった。

そこにはもっとそれ以上のものが存在していた。もっと大きなものが。スローンは先日、手痛い敗北を喫し、惑星アトロンに閉じ込めることに成功した反乱グループを、惜しくも取り逃がしてしまうという失態を演じていた。あの失敗のせいでベイダーから侮られることになる。

一方スローンのほうも、デススター・プロジェクトに強く反対し、その代わりにロザルで自らのTIEディフェンダー・プロジェクトを推進することを主張していた。デススター・プロジェクトはベイダー、グランド・モフ・ターキン、そしてパルパティーン自らも後押ししていたにも関わらずだ。これまでのところ、スローンの反対には誰も表立って抵抗する事態には発展していないものの、パルパティーンはそれも時間の問題だろうと感じていた。ベイダーもまた、そのことをよく分かっていた。

しかし、パルパティーンはなにも和解の場を設けるために、ふたりをこんな所に呼んだわけではない。摩擦を取りなすために、個人的に仲裁することなどありえない。そこには別の、もっと深い意図が存在していた。

スローンは皇帝に忠誠を誓っていたものの、その忠誠がこれまで試される場はなかった。ベイダーはシスの弟子として皇帝のそばに仕えてはいたが、彼がジェダイにいたという過去は容易に無視できるものではなかった。

そして今、この興味深いフォースの乱れが登場したことで、これら両方の問題を一気に片付ける絶好の機会が訪れた。

パルパティーンはしばしの間、その目を王座の間の上に位置する窓の方へと向ける。スターデストロイヤー”キメラ”が遠くに見える。コルサントのビル群の上空に矢尻の形をしたものが浮かんでいるのがかすかに分かる。通常では、あれだけのサイズをもつ軍の機体が、低い軌道に近づく許可は下りることはない。しかしパルパティーンは、この会談の最中にあの船がここから見えるようにしたかった。スローンに何が与えられ、そして彼から何を奪うことができるのか、ふたりのしもべに対するちょっとした注意喚起だ。

先に口を開いたのはベイダーだった。パルパティーンの予想通りだ。「おそらく、あのはぐれジェダイ、ケイナン・ジャラスのことは、お前も感じているだろう。」彼は言う。「あるいは、スローン提督がアトロンで遭遇したと主張する、その生物のことも。」

パルパティーンはかすかに微笑む。もちろん、彼がジャラスを感じることなどない。あの特筆すべき乱れはずっと以前に確認され、そしてずっと軽視され続けていた。ベイダーにはそのことがよく分かっていた。この発言の意図は単にスローンと、そしてパルパティーンに対して、チスが犯した屈辱的な敗北を確認させることにあった。

ベイダーの発言にスローンが反応することはなかった。しかし、パルパティーンは彼の態度が硬化するのを感じていた。惜しくも取り逃がしてしまったジャラス、そしてフェニックスの反乱者たちについては、今後対処することを彼は皇帝に約束していた。失敗した要因のほとんどはスローンのせいではなかった。パルパティーンが第七艦隊を彼から奪うことがなかったのも、そのことが理由だ。

しかしベイダーは失敗を前にし、いかなる理由、言い訳も許すことはない。今現在は、彼がまだ動くことはない。だが、もし大提督が失敗するとなれば、問題解決のためいつでも介入する準備はできている。

「この乱れの原因はそのどちらでもない。」パルパティーンは言う。「これはもっと新しいなにかだ。もっと別のなにか。」彼はふたりを交互に見る。「これを解明するためには、お前たちふたりで一緒にあたることが必要となる。」

ここでも、彼らが反応を示すことはなかった。だが、パルパティーンはふたりの驚きを感じ取る。驚き、そして反射的な抗議の意思。

一緒にあたる?

今度は、先に口を開いたのはチスのほうだった。「僭越ながら、皇帝陛下。私の職務と能力を最大限に生かすには、もっと別の所にあるべきと考えます。」彼は続ける。「アトロンから逃げた反乱者たちは、彼らが他の反乱分子と合流する前に、捕まえて排除しなければなりません。」

「お前の言うとおりだ。」皇帝は答える。「しかし当面はお前の力がなくとも、第七艦隊とコマンダー、ウォルダーだけでも大丈夫だろう。グランド・モフ・ターキンも間もなく彼らに加わる。今はそのために新しい任務が用意されている最中だ。」

ベイダーの感情が小さくちらつくのをパルパティーンは感じた。おそらく期待だ。スローンが判断を誤り、この場をデススター・プロジェクトに反対の意を示す絶好の機会とみなしてしまうことへの期待だ。

だが、スローンは沈黙を貫く。

パルパティーンは続ける。「ウォルダーとターキンが反乱者たちの対処をする間、お前とベイダー卿は旗艦に乗り、別の問題にあたってもらう。」

「かしこまりました、皇帝陛下。」スローンが話す。「しかし、ガバナー・ターキンは私と違い、反乱分子の扱いには不慣れなのではないでしょうか。おそらくもっと効果的なアプローチとして、ベイダー卿にスターデストロイヤーをひとつ与え、彼にこの乱れを調査させるというのはいかがでしょうか。」

パルパティーンは突如、弟子から怒りが沸き立つを感じた。その怒りはスローンの軽率な言葉のチョイスに向けられている。シス卿は船が与えられるものではない。好きなときに、好きなものを手にする。

しかしスローン同様、ベイダーも黙るべきときを心得ている。

「お前には驚かされる、スローン提督。」パルパティーンはそう話す。「お前の故郷近くでの旅を前にして、もっと情熱的になるかと思ったのだが。」

スローンの赤く輝く瞳がわずかに細くなる。パルパティーンは彼の警戒心が強まるのを感じた。「今何とおっしゃいましたか、皇帝陛下。」

皇帝は告げる。「乱れが確認されたのは、お前が知ってる未知領域の外れからだ。どうやらBatuuという名の惑星にあるようだ。」このとき、皇帝はその名前に対する反応を感じた。しかし今回はその反応が両者からやってきた。「お前も聞いたことがあろう。」

半眼に閉じたスローンの瞳。青色の肌に映る表情は過去の記憶で渦巻いている。

それはもちろん、ベイダーも同じだった。その場所こそ、彼とスローンが初めて関わりをもった地。遥か昔、パルパティーンの計画の中で、意図せずそれは起こった。

しかし、ここでもベイダーは沈黙を貫く。

「よし、それでは。」パルパティーンが話す。「提督、お前が指揮しろ。」そしてベイダーに顔を向ける。「ベイダー卿、お前はこの乱れに対処するのだ。」

「かしこまりました、皇帝陛下。」スローンが答える。

「かしこまりました、我がマスター。」ベイダーが答える。

パルパティーンは後ろにもたれ、王座深くに沈み込む。「下がってよい。」

ふたりは振り返り、ドアの方へと歩き出す。その両脇にいるのは真っ赤なインペリアルガード。静かに、ふたりの歩くべき道に立ち並ぶ。パルパティーンは彼らが立ち去るのを見ていた。大提督の白のユニフォーム姿に身を包むチス。黒に覆われ、その後ろで長いマントをたなびかせるシス。

この特別なパズルを解くには、ふたりがどうしても必要だった。しかしだ、もっと重要なことがあった。今回のことで、パルパティーンの中でずっとくすぶっていた疑問にも答えが出る。

弱々しい笑みが浮かぶ。スローンが未来と向き合うときが来た。

ベイダーが過去と向き合うときが来た。

考察

パルパティーンが感じたという”フォースの乱れ”(disturbance)はいったい何なのか。しかもその発信源はアウターリムの辺境地「Batuu」で、スローンがよく知っている未知領域とも近い場所にあるようです。

Batuuに関しては、ディズニーランドのアトラクションでも登場することを考慮すると、今後のスターウォーズのストーリーにとってもなにやら重要な惑星になりそうな予感がします。今回の小説ではBatuuの世界観を掘り下げる狙いもあるのかもしれません。

©Disney / Lucasfilm

パルパティーンのいう”フォースの乱れ”については、おそらく可能性としては

  1. フォースの知識の起源に関係か?スノークが知ったフォースの真実との関連性
  2. 強力なフォースユーザーの出現

ということが考えられます。
<1>については、乱れが確認されたのが未知領域近くの場所であること、そして小説『最後のジェダイ』で明らかになった内容を総合的考えると、なにやら両者が繋がっているような気がします。

パルパティーンとスノークが知ったフォースの真実、未知領域に眠っているフォースの知識…。それらを知った経緯が今回のミッションで一部説明されるのでは、と個人的に予想しています。

<2>に関しては、パルパティーンはルークの存在を感じたときに、それを「フォースの乱れ(disturbance)」と表現したこともあり、もしかすると同様の強いフォースの存在が出現した、あるいはなにやらアブノーマルで強力なフォース活動が感じられた、という可能性があります。

皇帝が直々にベイダーに対処を任せることからも、強力なフォースユーザーの出現という線もありそうな気がします。

Source: starwars


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