『最後のジェダイ』回想シーンは羅生門がテーマ


『スター・ウォーズ / 最後のジェダイ』では、過去の時代にルークとカイロ・レン(ベン・ソロ)の間に起きた事件の回想シーンを登場させているのですが、『The Art of Star Wars: The Last Jedi』によるとこのシーンは羅生門からヒントを得ているとのことです。

ライアン・ジョンソン監督はあまり大規模なフラッシュバック・シーンを撮影することには否定的で、そのため出来るだけシンプルな構成にしたかったと説明します。そして最終的に行き着いたのが、ひとつの出来事をそれぞれの違った視点から描くという「羅生門スタイル」だったようです。

ちなみに『最後のジェダイ』の中でフラッシュバックシーンは3つ登場します。語り手は(ルーク – カイロ・レン – ルーク)という順序で同じ出来事を切り取った回想シーンなのですが、それぞれが少し違った説明をおこないます。これはまさに映画『羅生門』に登場したものと同様の手法です。

回想シーン

フラッシュバック(1)

ルークによる回想:

ベンの中で暗闇が広がり、気付いたときにはすでに手遅れだった。そしてあの夜、ベンが自分に襲い掛かって来た。

©Disney / Lucasfilm

フラッシュバック(2)

ベンによる回想:

ルークはベンの力に嫉妬した。ある夜目を覚ますと、マスター・スカイウォーカーが襲い掛かろうとしていた。

©Disney / Lucasfilm

フラッシュバック(3)

ルークによる回想:

ベンの中で激しい暗闇が広がっていた。あの夜、ベンの心を実際に探ると、それが想像以上に悪化していることを知る。ベンがもたらす不幸な未来をルークは目撃し、それを防ぐには今しかない…。ルークはライトセーバーを握る。すぐさま正気に返り、自分のとった行動を恥じるのだが、ベンはそのときに目を覚ましてしまう。

考察

ルークとベン。ふたりはあの夜、全く同じ出来事を当事者として経験するのですが、その証言には食い違いがあります。

この回想シーンの面白さはまさにそこにあり、最初に真実を語っていなかったのがジェダイ・マスターの方で、反対にダークサイドのカイロ・レンは少なくとも嘘は言っていなかったということです。このことがレイの混乱を招き、カイロ・レンの元へと引き寄せます。

©Disney / Lucasfilm

ルークが最初の回想シーンで真実を語らなかった理由は、やはり自身のとった行動に負い目を感じていたことが考えられます。一番触れられたくない辛い記憶であり、だからこそ最初にレイに話したときには、大事な箇所を省いて説明したのかもしれません。

ちなみにスノークはレイの記憶を見た後、この発言をします。

スカイウォーカーがこれほど賢いとはな。いいだろう。レジスタンスを葬り去った後、望み通り死を与えてやろう。

©Empire

私にはこれが皮肉に聞こえました。

「これが噂に聞くスカイウォーカー?こんな奴を蹴散らすのは造作もないこと。やはり私の買い被りだったか。」

スノークは非常に用心深い人物なのですが、おそらくこの瞬間に一気に気の緩みが生じたことが想像できます。そしてその直後、カイロ・レンの反逆によってスノークは命を落とすことになります。


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