ハン・ソロのタイアップ小説『LAST SHOT』の一部抜粋が公開


『ハン・ソロ / スター・ウォーズ・ストーリー』のタイアップ小説『LAST SHOT』の発売日が4月17日と発表され、同時に小説からの一部抜粋も公開されています。

『LAST SHOT』は3つの異なる時代が舞台となる作品で、今回の一部抜粋は『ジェダイの帰還』から二年後のハン・ソロが登場します。ストーリーの背景としては、ランドとハン・ソロは過去にある秘密のお宝を盗み出そうとし、そのときにハンがしでかしたことが原因で、ランドに不幸が降りかかる…というプロットのようです。

Star Warsの公式サイトによると、明日も『LAST SHOT』絡みの新情報が披露されるとのことなので、そちらも楽しみです。

『LAST SHOT』からの一部抜粋

©Disney / Lucasfilm

「…プリンセス、レイア・オーガナ。緊急メッセージ。プリンセス、レイア・オーガナへの緊急メッセージ。至急応答を。」

「うーん…。」ハン・ソロは目を覚ます。彼の顔には小さな足がちょこんと乗っていて、ドロイドの苛立たしい声も聞こえる。小さな足の持ち主は、まだ小さな身体のベン・ソロだ。こんなに無邪気に眠っているなんて、ここ何日もなかったことだ。ハンの目は大きく見開く。この子を起こしてしまったか?

「これよりモン・モスマ議長からのホロを転送します。」レイアのプロトコルドロイド、T-2LCが反応する。

「何だと?おい、よせ!」ハンは少し体を起こす。そのときも、ベンをあまり動かさないように注意を払う。シャツは何も着ておらず、髪はボサボサだった。顔にも何か付いていたかもしれない。モン・モスマとは普通のときでも話したがらない彼だ、半分裸の寝起き頭ではなおさらだろう。

「レイア?」声の主がそう話すと同時に、お化けのようなブルーのホロプロジェクションが部屋に浮かび上がる。

ベンがそれに反応し、ハンの顔を蹴り上げる。

「おっと、これは失礼。ソロ将軍。」モン・モスマはそう言いながら、向こうに送られたであろう映像を細目で見ていた。

「俺はもう将軍なんかじゃない。」不満そうなハンだったが、声は抑え気味だ。

モン・モスマはうなづく。「ええ、そうでしたね。」モスマの流れるようなローブに、どこか遠くを見るような彼女の表情。その不思議なオーラはハンをすでに圧倒していた。ブルーのホログラム越しだとそれがさらに一層強調される。「現在の状況に関わらず、退役兵士でも元の地位で呼ぶ。それが私の癖なのです。」

「そうかい。」ハンはそう答える。

「そこにはレイアも?」

「私が彼女をお呼びいたします。」T-2LCがそう言い振り向いたせいで、明るい光を放つモン・モスマのホログラムが眠っているベンの顔にかかってしまった。

「おい、LC!」ハンが噛みつく。

ベンがその瞳を開くと、そこには光り輝く青色の姿が目の前で揺らめいていた。そしてたまらず泣き出してしまう。ハンは頭を振る。だけど誰もこの子は責められはしない。もし目覚めたときに目の前でモンが待ち構えていたら、ハンだって泣き出すかもしれない。ある意味、ハンの寝起きもそうだったのだが、彼は改めてそのことを考えてみた。

「シー、ほらこっちへ来るんだ、坊や。」ハンの手が息子の小さな腕の下に伸び、そのまま抱え上げた。ベンは彼の胸の中でシクシクと泣いている。ちっちゃな心臓が波打つのを感じる。ヒックヒックと泣きべそ状態のベン。

「どうして最初からそれをしないんだ?」ハンはささやきながら、そう叱りつけた。

「申し訳ございません。私のプログラムでは、もし緊急メッセージを受信した場合、ただちに近くにいる家族の誰かに知らせることになっており、今回のケースでは…」

「もう分かった、LC。レイアを探してこい。」

「仰せの通りに。」

「全くこれだから。」ハンはぶつくさ言いながら、ベンを抱きかかえ、ソファーからその身を起こす。鋭い痛みが背中にかけて流れる。昔の古傷だ。いや、もう年のせいもあるかもしれない。あるいはその両方の可能性も。部屋の向こうにあるホロスクリーンは午前四時半を示している。実に素晴らしいじゃないか。

その日は退屈な会議が山のように控えていて、新共和国パイロット委員会の就任会議のための準備、計画の日々が開始することになっていた。ハンが嫌々ながら引き受けた指導役の仕事なのだが、なぜそんなことになってしまったのか、その間違いの元を考えてはみたが、彼もいまだに分からないままだった。ハンは計画が大嫌いだった。そして準備をするのも同じくらい大嫌いだ。しかし、そんな彼が一番嫌っていたものは何か。それは帝国以外では、おそらく会議だったに違いない。今や帝国が消え失せてあれからもう二年以上経ち、帝国艦隊の残りもジャクーの上空で破壊された。そういえばベンが誕生したのも同じときだ。こうしてハンの嫌いなリストに会議が一位として輝くこととなった。

そして、まだ始まったばかりの共和国が大好きなことといえば、そう会議だった。

出かける前にもう少し眠れるかもしれないな。ハンは後ろにもたれながら、そう考えていた。幼いベンがウトウトしながら見上げる。その黒い瞳はハンに釘付けで、彼を観察していた。二歳の子がこんな瞳をもつなんて、以前のハンには想像すらできなかった。まるでベンはこのときこの瞬間に現れるために、どこかで数千年も待っていたような気さえする。

ゆっくりとベン・ソロの目が閉じていき、彼のあごはハンの肩の上で休まる。

ハンは笑い、頭を振った。そのとき、彼はこの先の運命のことについて考えていたのだ。なんだかハンの振る舞いがルークみたいになってきていた。

その考えに笑うものの、同時に不安も感じていた。彼の中に漂っていたのはそんな混在した感情だった。そして同時に眠気が広がる。それを妨げるものはもう何もない。それが寝室全体を溶かしていく。部屋の向こうからする話し声、朝を知らせる鳥のさえずり、新しい一日の始まりとなる薄明り。全てが心地の良いまどろみへと消えていく…。

…しかし、一心不乱に何かを叩く音が鳴り始め、ハンはまた飛び起きてしまった。

「何事だ?」彼はベンを離すときに注意を払った。そして立ち上がる。鼓動が早まる。

ドン、ドン、ドン!

バルコニーだ。それはバルコニーに繋がるドアから聞こえてきていた。大きな窓から身を隠すようにして、ベンを抱え、カーペットが敷かれた床の上にこれ以上ないくらい優しく置いた。そこが叩く音がする場所から一番遠い所だった。それからベッド脇にあるテーブルに這っていき、引き出しを開け、自分のブラスターを取り出す。彼はセーフティ外し、ドアの方へと進んでいく。

ドン、ドン、ドン!

部屋の隅にやって来た。片手をドアノブにかけ、もう片方はトリガーの上だ。ベンの方を見る。まだ眠ったままだ。彼の本音は、一番近くの窓を蹴破って出て行って、それからおもむろにブラスターをぶっ放したかった。しかし今それをするのは良くない。もしこれが本当に危ない状況なのであれば、そんな無鉄砲な行動は自分だけではない、ベンの命すらも危険にさらしてしまう。

ゆっくりと、なおかつ慎重にデータスクリーンの方に首を伸ばし、バルコニーのセキュリティー映像を確認する。

同時に彼の全身の緊張が一気に緩んだ瞬間でもある。そしてドアを開け放つ。ハンの顔には満面の笑みが浮かんでいた。紫の朝もやの中、そこに立つのはランド・カルリジアンだ。相変わらず非の打ち所がないドレスに身を飾り、ハーフケープに光り輝くブーツ、そして完璧に手入れが行き届いたあごひげ。

「おい、もし…」ハンはそう話し始めるものの、途中で止めてしまう。

ひとつだけ、普段のランドと違うところがあったのだ。いつもは彼の顔全体に広がっている、あの茶目っ気たっぷりなあくどい微笑みがない。

「どうしたんだよ、相棒。それに、いったいなんでお前は…」

ハンがそれを言い終わることはなかった。その瞬間、ランドは体を少し後ろに反らし、拳を固く握ったまま振りかぶり、そして渾身の力を込めてそれを前へと突き出した。はたして、その後どうなったか。案の定、それはハンの顔に命中し、うめき声と共にそのまま後ろに吹き飛ばされることになる。世界が暗闇へと変わる中、彼は思う。「(俺は分かっていたはずだ。こんなことが起きるかもしれないことを。)」

©Disney / Lucasfilm

©Disney / Lucasfilm

Source: starwars


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