小説『ハン・ソロ』一部抜粋: エンフィス・ネストとソウ・ゲレラの会談


『ハン・ソロ / スター・ウォーズ・ストーリー』のノベライズ版の新たな一部抜粋が公開され、映画の後日談が登場しています。

ハンがエンフィス・ネストに渡したコアクシウムは、どうやらソウ・ゲレラの手に渡ったようです。しかも驚くことに、今回のシーンでは11歳の少女ジンも登場し、エンフィス・ネストとの出会いが描かれています。

エンフィス・ネストとジンの出会い

『ハン・ソロ』のエンディング時のタイムラインは『ローグ・ワン』の10年前となり、幼いジンが両親と引き離され、ソウ・ゲレラのもとに預けられてから3年が経過しているという状況です。

©Lucasfilm

エンフィス・ネストが誰かと会うときは、必ずフルアーマーとヘルメットに身を包む。政府の高官たちと会談するような服など持ち合わせていない。だが、彼女の仕事は外交でもなく、また相手がたとえ同盟者であれ、彼女は自らの素性を隠しておいたほうがよかったのかもしれない。彼女の年のせいで、誰かに疑いをもたれることもないからだ。

彼女は静かにたたずむ。スウープバイクにまたがったクラウドライダーズたちはその背後に控え、コアクシウムの積荷を守っている。と、そこにオンダロニアンのシャトルが目の前に着陸した。

背が高く大柄で、褐色の肌をもつ男が、黒のケープをまといシャトルからひとりで降りてきた。

あの男、本当にひとりで来た。なんと勇敢な。エンフィスはそう思った。

「ソウ・ゲレラ。」彼女の柔らかな声は変声機が覆い隠す。

「エンフィス・ネスト。」彼の声には不機嫌さがあった。「なにか良いニュースがあると期待していいんだな?」その口ぶりからは、彼女にはそんなことできるはずないと、まるで最初から信じていないかのようだった。

「精製されたコアクシウムだ。艦隊を動かすにも十分なくらいのな。」彼女はそう言い、後ろを示す。「お前がそれを役立ててくれることを信じている。」

彼は動じなかったが、表情からは驚いた様子が明らかだった。「いったいどうやって手に入れたんだ?」

「我々の方法でな。」彼女は話す。「お前は…」そのとき、シャトルから音が聞こえ、なにかが床をガタガタさせる。ゲレラは振り返る。彼の中で怒りがわき上がる。

この男はひとりではなかった。エンフィスは拳を固く握り、クラウドライダーズが武器を掲げる音が鳴り響く。

「ひとりで来ると約束したはずだぞ。」と彼女が噛みつく。

ゲレラは両手を上げながら、シャトルに向かってゆっくりと後ずさりしていった。「武器をしまえ。そんなものは必要ない。世話をしている子がどうしても一緒に来たがってな。彼女はまだ若い。好奇心が強いんだ。」

「お前が世話している子。」

「その通り。まだ11歳だ。だがな、あの子は学ぶ必要がある。」

エンフィスはシャトルの中から小さな足音を聞いた。

「彼女を連れてこい。」

「お前たちの武器をしまえ。」彼も応戦する。

エンフィスはうなずくと、手を掲げ、ライダーたちに下がっているよう命じる。彼らの中で緊張が解け、それぞれが武器を下ろす。しかし、彼らが警戒を怠らないことはエンフィスも知っている。彼女はいまだ張り詰めたままで、もしゲレラの護衛が武器を片手に駆け下りてきたときは、すぐにでも左右に避ける準備はできていた。

しかしだ、姿を見せたのは本当に女の子だった。非常に慎重な様子なのだが、それでいて、なにも恐れない大胆さがある、そんな少女だ。彼女の肌はゲレラよりもずっと青白く、ブラウンの髪は緩くカールし、背中のほうに掛かっていた。その青い瞳は状況を見定めている最中で、エンフィスと彼女の仲間に向けられていた。エンフィスは即座にこの子が気に入った。

ソウは彼女を少し前に押し出す。「こいつはジンだ。」

「なぜこんな危険な場所に世話している子を連れてきたんだ?」エンフィスは好奇心からそう尋ねる。

「この子は学ぶ必要がある。」彼は繰り返す。「もし、この子が生き延びれば…」

「まだ若すぎる。」このエンフィスの言葉は、これまで自身に対しても幾度となく向けられてきたものでもある。彼女はゲレラがどう反応するのか見たかった。

彼は顔をしかめる。「多くの者が年を、まるで身を隠すための盾のように扱う。子供たちを守るためのものだ。あるときにはそうなるだろう。だがいずれ、その盾を気にもしない連中が現れる。そのとき我々は決断しなければならない。それでもまだその盾がそこにあるふりをし続けるのか、と。帝国はこの子がいくつかなんて気にしない。だからこそ、我々みんなが直面しているこの脅威を、この子は学ばなければならない。」

「はたしてどうかな?」エンフィスは前に一歩出る。「こっちに来い、ジン。」

少女も前に出る。恐れは一切ない。ソウは彼女を行かせ、根気よく待つことにした。エンフィスが彼女を見下ろす。ふたりの生い立ちは全く違うものの、エンフィスはなぜか7年前の自身の姿を少女の中に見ていた。若さという特権は、混乱の最中に過ぎ去ってしまった。

彼女はマスクの下に手を伸ばすと、それを脱ぎ去り、ボサボサの髪を自由に解き放つ。そしてジンに微笑んだ。ジンは彼女を見つめたままで、この暴露にも微動だにしない。「その若さが自分を守ってくれると思うか?」

「そんなことない。」ジンはきっぱりとそう言った。

「その通りだ。お前は賢い。だがそれでもだ、奴らはお前のことを甘く見るぞ。奴らを後悔させてやれ。」

少女の目が細まる。まるでまだふたりの間に脅威があるかのようだ。「奴ら?」

「全員だ。」エンフィスが言う。「奴らを後悔させてやれ。」

ジンが一度だけうなずく。

「もし気が済んだなら、」ソウは強い口調でそう言う。

「ああ、もういい。」彼女は背後のコアクシウムに合図を送る。「これでいいんだろ?きっと役に立つぞ。」

「そして破壊にもつながる。」彼はそう話し、燃料に目を通す。「我々に必要なのはそれだ。」

「ソウ、お前は自分のやり方にもっと気を配った方がいい。」彼女が言う。「お前の戦いが本当に実を結ぶのか、細かな点まで注意する必要がある。」

「戦いの在り方、規模、方法の違いを超えて同盟を結んだはずだ。お前もそれを受け入れたと思ったのだが。」彼は続ける。「我々が戦っているのは同じ敵だ。向かう先には同じゴールがある。」

エンフィスがため息をつく。「頼むから、それを無駄にはしないでくれ。」

そのときソウが見せた仕草は友好的で、どこか上品さも感じられた。粗野で不愛想な男がそれをするにはばかげてみえた。「付いてきてくれ。少し話がしたい。」

彼はシャトルに乗り込む。自分が無事に出てくるまで、船を停泊させたままにするようクラウドライダーズに指示し、エンフィスはソウの後ろに付いていった。彼女がジンのそばを通り過ぎる。ふたりのことを注意深く見ているジン。

「あの人、きっとあなたのことを甘く見る。」彼女がそうささやく。

エンフィスは思わず笑ってしまった。この子は飲み込みが早い。結局のところ、お互い相応しい連中の手に渡ったのかもしれない。

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最後のシーンは少し分かりにくいのですが、少女ジンがエンフィス・ネストにささやくという状況です。ソウはあんなこと言ったけど、若いあなたのことをきっと甘く見るわよ、とエンフィスに警告しているシーンで、幼いながらもジンの大胆不敵さがよく表れている場面です。

それにしても、エンフィス・ネストはこの先どうなってしまうのか、本当に気になりますね。『反乱者たち』のメンバーは全員生存ルートをたどったこともあり、エンフィス・ネストも生き延びた可能性があるかもしれない…なんていうふうに私は思っています。

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Source: starwars


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