スター・ウォーズ2とリイ・ブラケット

ルーカスにとって脚本制作のプロセスは苦痛で退屈極まりないものだったが、とにかく嫌々ながらもその作業に戻ることになった。さて次なるスター・ウォーズ2だが、ここで彼はリイ・ブラケットと接触する。

ブラケットは40年代、50年代のパルプ・サイエンスフィクション、並びに犯罪小説を手掛けてきた著名な女流作家だ。夫のエドモンド・ハミルトンもサイエンスフィクションの作家として知られ、1933年に発表された『Kaldar, Planet of Antares』は1965年にペーパーバックで再版。ちなみにこの作品には“ライトソード”なるものが登場し、ライトセーバーにもインスピレーションを与えたとみられている。

ある日、ルーカスの友人が「スターウォーズにカンティーナのシーンがあるだろ。この人ならもっと上手く書けるぞ」と言い、古いSF小説を彼に手渡した。これがきっかけでリイ・ブラケットの存在が彼の目に留まる。

ルーカスは、LAで晩年を過ごしていたブラケットと連絡をとり、スター・ウォーズ2を書いてほしいと頼むことになる。このときのふたりのやりとりは次のようなものだった。

「映画は書いたことがありますか?」とルーカスが尋ねる。「ええ、あるけど」ブラケットは素っ気なく答え、彼女の口から『リオ・ブラボー』『エル・ドラド』、そしてノーベル賞作家ウィリアム・フォークナーとの共同脚本『三つ数えろ』が飛び出す。

気まずい沈黙が流れる。「“あの”リイ・ブラケットさんですか?」ルーカスは思わず息をのむ。「あなたねえ、だから私に電話してるんじゃないの?」とリイ・ブラケット。「いえ私はただ、あなたがパルプ・サイエンスフィクションの作家だから電話しただけなんです」

かくしてリイ・ブラケットの助けを借りて、脚本を書く目途は立った。1977年11月28日、ルーカスはスター・ウォーズ2のトリートメントを手書きで仕上げる。映画のタイトルは『The Empire Strikes Back』(帝国の逆襲)だ。

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