『エンドア/魔空の妖精』(1985)の感想

『イウォーク・アドベンチャー』の続編となる『エンドア/魔空の妖精』(Ewoks: The Battle for Endor)。

前作イウォーク・アドベンチャーが意外に面白かったので、その勢いで続きも観たわけだが、はたしてこちらのほうはどうだったのか──。

以下、簡単な感想を。

ナルニア時々スターウォーズ

のっけからかなりダークで、もはやキッズフレンドリーの領域をはるかに越えていると言っても過言ではない。開始わずか10分で一家絶滅とはこれいかに…。しばらく自問自答してしまった。一応、最後まで観たのだが、これに対する答えはなかった。こういったダークなテーマを全く掘り下げずにそのまま進む具合が「あーそういう時代だったな」と思い出し、感慨深くもなるのだ。まあとにかく、前作での出来事をまず綺麗な更地にしてから、物語は始まる。

エンドアに住む可愛い原住民たちと、それと相対するかのようにピリリと効いたシリアスなトーンのファンタジー。この辺のハーモニーがイウォーク2部作の真骨頂だろう。古臭いクリーチャーのプロップや特撮もなんとも言えない味を出している。

家族を失った少女シンデルと、これまた同じく家族と離れ離れになったイウォークのウィケット。非力なふたりは寄り添い合い、その最中にエンドアの森で孤独に生きる老人ノアと出会う。皮肉屋でとっつきにくいノアは最初、ふたりを追い出そうとするのだが、次第に態度を軟化させる。可哀そうなふたりの境遇にかつての自分の姿を重ねたのだろう。

やがて少女シンデルはエンドアに住まう魔女にさらわれる。そのとき縁もゆかりもないはずの老兵は彼女を救うべく、住み慣れた小屋を離れ、ついに旅に出るのだ。シニカルな老人の中にかすかに残る戦士としての気概。なんとか仲間を取り戻そうと奮闘するイウォークのウィケット。

そんな彼らの前に立ちはだかるのが海賊王とその手先の魔女だ。はたして彼らの冒険の行方はいかに──。

© Lucasfilm Ltd.

映画冒頭からかなり悲惨な展開なのだが、そこを抜けるとあとはあの時代特有の軽い空気感のファンタジーへと様変わりする。とはいえ、単なる子供たちのジュブナイルな冒険談と思いきや、意外や意外、“老兵の魂の救い”という視点まで用意されている本作は、終わってみればなかなか普遍的なファンタジーとして出来上がっていた印象だ。

そうそう、最後に唐突に出てくる“迫真の決闘”についても話しておきたい。もはやスターウォーズになくてはならないデュアルだが、あまりの迫力に思わず「あれ、これOTのセイバーバトル超えてる?」なんて思ってしまったのは否定しない。しかも、今ハイ・リパブリックを読んでる自分としては、例の“アレ”が頭をよぎる演出で幕を閉じる。もちろん間違いなく偶然だろうが、意図せずタイムレスな内容となっているのは実に面白い。

そして、忘れてはいけないのが本作のメインとなるイウォーク軍団。小さくて丸っこくてモフモフの小熊だが、これがまた意外と勇敢で、ずる賢い戦士なのだ。思い返せば、最後の5分がとってもスターウォーズだった。なるほど妖精とは小熊のほうだったのか。…などと思ってしまった自分はまだピュアなのだろうか。

別れはいつも悲しいけれど、またいつかきっと会える日が来るはず。さらば夢の森エンドア。

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