スター・ウォーズ製作の苦難、アメリカン・グラフィティとの違い

1976年3月22日、チュニジアにてスター・ウォーズの撮影が開始する。

撮影は困難を極め、これについては豊富な記録が残っているところだ。ルーカスは1977年当時、このときのことを次のように振り返っている。

「この映画は本当に苦労させられたよ。最悪な時期だった。とても苦痛だったね。アメリカン・グラフィティのときも苦痛で、お金も時間もないから、死ぬことすら考えたのだけど、でもねあれはせいぜい70万ドルの映画だったから。ロジャー・コーマンみたいなもんだよ。低予算の安っぽい映画に何から何まで求める奴なんていないだろ?

だけどこれはとても高い映画だ。それなのにお金はドンドン浪費されてるのに、良いものが全然出来上がってこないときた。私はそのときは会社も経営していたから、もう映画作りは昔と同じじゃない。アメリカン・グラフィティではキャストを除いても、現場にいたのはせいぜい40人くらいかな。THXも同じくらいだったと思う。それくらいだと自分で状況をコントロールできる。

一方、スター・ウォーズでは950人以上も自分のために動いていた。部門のトップになにか伝えると、今度は彼がアシスタントにそれを伝え、彼も別の誰かに伝えて、それでだ、一番下のラインに届く頃には全くなにも伝わってなかったりしてね。常に誰かに怒鳴ったり叫んだりしてたよ。自分は今までそんなことしたことがなかった」

撮影はようやく終了したものの、ルーカスの頭の中ではとんだ失敗作が出来上がったものだと思っていた。全く動いてくれないロボット、ラバーマスクなんて失笑ものだ。そもそも彼は他人に共感する能力に欠けていて、自分のビジョンを的確に説明するなんて無理だった。敵意むき出しの外国人クルー、襲いくるホームシック…。スペシャルエフェクトも制限されていたため、編集ルームでは苦労させられた。

ルーカスは、こんな変な映画は間違いなくコケるだろうと踏んでいた。

スター・ウォーズの撮影監督に選ばれたのは、過去に『Dr. Strangelove』や『Hard Day’s Night』なども撮っているギル・テイラーだ。両方ともルーカスのお気に入り映画だったことが理由なのだが、スター・ウォーズの撮影には満足できなかったようだ。ルーカスは不満を口にしている。

「映像のライティングがイマイチだった。私もカメラマンだからね、自分ならあれよりももう少しエクストリームというか、エキセントリックなスタイルにしてたはず。もちろん問題はないよ。難しい映画だし、大きいセットのライトだから、難しい問題だった。ロボットも全然上手く動いてくれないし。常に騙し騙しやって、あとは編集でなんとかやったんだ」

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