前回の続き。
『Star Wars Skywalker ─ A Family at War』ソロの息子と闇の娘
前回はベン・ソロで、今回はレイの生い立ちにまつわる話だ。
各三部作をひとつにまとめたスカイウォーカーサーガの小説『Skywalker ─ A Family at War』。以下、「チャプター27: ソロの息子と闇の娘」からの抜粋。
レイが生まれた。ベン・ソロがジェダイの修行を開始したのもその頃だ。10歳のときだった。フォースのダイアドとして、ふたりには決して消すことのできないつながりがあった。なぜそれが起きたのか、そしてこれは何なのか。はっきりしたことはまだ分かっていない。フォースの対は双方とも脅威的なフォースの力と名高い家系をもち、命を吹き込むほどのローパワーを備えていた。長い間途絶えていた力だ。しかし、ベンの形成にはある種の恐怖、常に影響力のある母と英雄の叔父に比較されるという恐れがあった一方、レイは誰にも知られず孤立した環境で暮らしてきた。
レイの幼少期はルーク・スカイウォーカーの養育環境と似ているかもしれない。彼女もまた砂漠の星ジャクーに隠され、ダークサイドの武器にされることから守られたのだ。
レイはスカイウォーカーの血統ではない。だが、この若きスカベンジャーはスカイウォーカーの家族がもっていた多くの特徴を体現していた。
<中略>
スカイウォーカーのルーツは預言が伝える選ばれし者にまでさかのぼるが、レイはそれとは全く違う別の血族から舞い降りた。銀河に入り混じる様々な出来事、そしてその歪とひび割れをたくみに利用し、闇の支配を生み出した人物 ─ 帝国の姿かたちを全て描いた張本人シーヴ・パルパティーン。レイはその子孫だった。
パルパティーンはたしかに死んだ。通常の意味においては、だが。その身体が第二デススターのリアクターシャフトの底に衝突し、その直後にあの場所も爆発した。しかし、ジェダイがリビングフォースをコズミックフォースに昇華し、死後も意識を再形成することを学んだように、パルパティーンはシスのアンナチュラルな技術と恐ろしい執着によって、自らのクローンの身体で生まれ変わったのだ。
レイの実父はあくまでパルパティーンの遺伝子研究による成果だ。厳密にはクローンではなく、クローンの組織とドナーから得られた細胞から成るものだ。彼の名前はとうの昔に忘れ去られた。なぜこの男は生き残ったのか。目的があったのか、はたまた単なるネグレクトによるものか、それすらも分かっていない。残酷だが強力なパワーをもつ父パルパティーン。どうやら記録によれば、息子には彼が喜ぶようなフォースの能力はなかったようだ。シーヴ・パルパティーンのことだ、生みの親にとってこの坊やはさぞかし期待外れだっただろう。
ベンと同じように、レイもまた自分の血筋については何も知らずに人生を過ごしてきた。幼い頃に両親に売り飛ばされ、シミとアナキン・スカイウォーカーのように年期奉公するはめとなる。レイが覚えているのは父と母の影だけだ。愛されていた記憶は残っているが、ふたりの顔も名前も覚えていない。彼らが命懸けで娘を守ろうとしたことも覚えていない。ずっと長い間レイを慰めていたのは、いつかきっとふたりが自分を探しに来てくれるはず、とそんな想いだった。

Source: io9
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