先月書こうと思って今まで忘れていた話。
実は『スカイウォーカーの夜明け』のハックスのあのシーンだが、演じていたのはドーナル・グリーソン本人ではなかったようだ。というか、そもそもハックスのアクションシーン(と呼んでいいのか笑)は、全てスタントマンによるものだったらしい。Screen Rantのインタビューにて、貴重な裏話が明かされている。
ハックスの“やられ役”を担当したのはスタントパフォーマーのトロイさん(Troy Kenchington)。この方が『最後のジェダイ』と『スカイウォーカーの夜明け』の二作品でハックスを演じている。具体的なシーンでいうと、トロイさんが担当したのは
- スノークに怒られてフォースでグルングルンされてたシーン(TLJ)
- カイロ・レンにキレられてフォースプッシュされるシーン(TLJ)
- スパイがバレて殺されるところ(TROS)
この3つだ。
注目はなんといっても『スカイウォーカーの夜明け』のシーン。あれは全てスタントマンが演じ、顔だけをドーナル・グリーソンにCG編集したとのこと。頭の先からつま先まで全てトロイさんのもので、顔の表面だけドーナル・グリーソンにスワップしたのだ。
いやね、これは言われなければ絶対に分からないレベル。てっきりドーナル・グリーソンがやってたのかと思ってたよ。
最近はスターウォーズでも俳優の顔をCGI編集する例が増えてきた。例えば『ローグワン』のレイアとターキン、『スカイウォーカーの夜明け』のルークとレイア、『マンダロリアン』のルークなどは記憶に新しいところだ。正直、これらに関しては一見してすぐCGと分かるケースだろう。しかし、ハックスの場合は完全に別次元だ。いやこれはね、実際言われてから注意深く見てみたけど、それでも分からないレベル。今のCGってこの水準にまで達してるんだね。驚いた。
ところでこの人、ドーナル・グリーソンに結構似ている。CG処理するといってもたいてい似た顔の人が選定されるわけだし、こういうのも重要なのだろう。ちなみにトロイさんはフィンたちにやられるストームトルーパー役もこなしている。
ハックスの撮影秘話
他にも興味深い話が飛び出しているので、ここで簡単にまとめておきたい。
最後のジェダイ
スノークにフォースでおもちゃにされるシーン。どうやらあれは結構危険なスタントだったようだ。
手を使わず地面に打ちつけられるのだが、リハーサルのときには胸にクッションを入れており、そのときに「顔をぶつけずにやれる」と判断し、撮影に挑んだ。一度目のテイクを難なく終えたはいいが、そのときにスタントコーディネーターのロブ・インチ氏(TPMでクワイガンのスタント担当)が「今度は(ロープで)もっと早く引っ張る」と説明。結果的に二度目のテイクで眉を切って流血、トロイさんはそのまま病院へ直行となってしまう。

『最後のジェダイ』公開版で使用されたのは、まさにこの“流血騒ぎ”となった二度目のテイクだ。周囲のエキストラ(結構距離はある)に血が飛び掛かるほどの出血だったのだ。かなり臨場感あふれるシーンであることが分かるだろう。
スカイウォーカーの夜明け
一回でOKが出たので存在するのはワンテイクのみだ。
プライド将軍に撃たれるシーンは最初から最後まで全てスタントマン(トロイ)が演じ、顔だけを俳優ドーナル・グリーソンにCGでスワップしている。とはいえ、かなり自然なCGなので、指摘されたところで気付くのは無理だろう。

このシーンでは、安全策として後頭部に保護材入りのウィッグを被っていたものの、撮影時には引っ張られるときの勢いでウィッグがめくり上がるというアクシデントが発生。これは実際の映画でも確認することができる。
Source: Screen Rant
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