『Star Wars Skywalker ─ A Family at War』ソロの息子と闇の娘

オリジナル、プリクエル、シークエルで活躍したヒーローたちの物語。

各三部作を一冊にまとめたスカイウォーカーサーガの小説『Star Wars Skywalker ─ A Family at War』がリリースされている。映画だけではなく全てのカノンメディアからの内容が収録された本作。著者はStar Wars Showのホストも務めるクリスティン・ベイバーだ。

例のごとく一部抜粋が公開されており、それがまた一番気になるであろう箇所なのだ。「次世代のスカイウォーカー」ともいえるベンとレイ。ふたりの生い立ちとそれにまつわる“大人たち”の事情にもスポットがあたる。

面白い内容なのでこの記事で紹介したい。

A Family at War

ベン・ソロの幼少期はいったいどんなものだったのか。戦争後のレイアとハンの関係、親としての戸惑いが語られる。

以下、小説からの抜粋。

チャプター27: ソロの息子と闇の娘

戦争が終わり、ベン・ソロがやって来た。スカイウォーカーの予想通り、人生は変わっていく。

軍と政治の両方で高い地位にある両親をもちながら、その子供ベン・ソロの幼少期については驚くほど知られていない。大衆の目から遠ざけられたせいもある。ベンは父親ゆずりの高い鼻とゆがんだ笑み、母親似の鋭い茶色の目をもっていた。レイアはこれを生みの母パドメ・アミダラから受け継いだものと確信していた。丸々とした手、くしゃくしゃの茶色の髪は黒っぽくて暗闇では真っ黒にみえた。赤ん坊の頃はずっと泣いてばかりだったが、それでもどうあがいても可愛い子だった。

彼もスカイウォーカーの血筋にたがわずフォースが強く、二世代続いたように、未発達の力が早くも顔をみせる。驚くほど素早い反応速度、普通ではない認識力、そしてフォースの感受性もだ。幸運にもベンの子供時代の実例は、ウーキーのぬいぐるみを宙に浮かせて自分のところに持ってくるくらいだったが。

ハンとレイアは兵士から夫と妻、両親、新共和国への奉仕者という人生の移り変わりに苦労する。しかしそれでも努力はした。あの五年もの間続いた恐怖と勝利。命を危険にさらした戦場、秘密の作戦 ─ いつ何時来るかもしれない奇襲に常に怯えていた、あの日々。レイアは心のどこかで家庭的な暮らしも政治も退屈に感じていた。自分が信じたもののために戦い、戦争が終わり帝国が解体されたときにはようやく安堵できた。だが、あれから数年の月日が流れ、レイアはあの高揚感、友情、敵と戦う大義名分を懐かしんでいたのも事実だ。

民主主義を一から築き、なおかつ息子の世話をする。このふたつを同時にこなさなければならないのだ。いかに機転が利き、不屈の闘志をもつレイアといえども楽ではなかった。ベンが泣き出したり、小さな足先で横腹を突っついたりしてきて、そうやって眠りを妨げられた日の朝には、政治のことなんてどうでもよくなった。レイアがいとも簡単に赤ん坊をあやしてしまうので、ハンは驚きっぱなしだった。坊やは本能的に分かっていたのかもしれない。この母親はどんなことからも自分を守ってくれる、と。一方、ハンは父としての新しい自分に移行するのは戸惑っていたようだ。あるときなんて「俺がするのは密輸だ。子守じゃない」(I smuggle, not snuggle)などと言ったこともあった。

<中略>

チューバッカは若きベンと一緒にいるのはいつだって大歓迎だった。彼はごろつき仲間のハンに父親なんて到底無理だろうと分かっていた。それと引き換え、レイアの母性にはチューイも納得だった。彼女はいつも上から目線で偉そうだったが、それでも反乱軍では誰よりも情が厚かった。どんな不幸があってもサッとスピーチをこしらえ、ハグとあの頼もしい笑みでつらい勝利を祝うのだ。ベスピンでの苦難の後、チューイのハンへの愛着はそのままお姫様にも向けられるようになる。そしてそうそう、あの気取り屋のランド・カルリジアンも忘れてはいけない。わざわざ小難しい話をして、ベンに“アンカ・ワンワ”(Unca Wanwo)と呼ばれていた。銀河で経験した刺激的な冒険の物語、彼の父が密輸をしていたときの日々、面白い奴で尽きない魅惑的な暮らし。坊やにそのような昔話を喜んで聞かせてあげるのだ。

<中略>

彼女はようやく、ふたりが一緒にいるためには妥協が必要なのだと理解した。強い独立心と野心をもつふたりは、決して相容れない者たちなのだ。幼い息子はもちろんふたりの亀裂を感じており、理解できないにしてもそれを見ていた。レイアとハンはホロコールで連絡を取り合う重要性を学ぶ。時が流れ、やがてふたりの興味が彼らを遠ざけることになり、あるときにはそれが数か月にも及ぶ。それでもお互いに尽くそうと努めていた。

ある時期、ハンは軍での地位を捨て、サーキットレースのほうに関心を向ける。メカニカルな技術とパイロットとして卓越した能力を次のキャリアに生かそうとしたのだ。彼は血気盛んな若いパイロットたちから尊敬されるメンターになる。しかし、肝心の自分の息子には同じようにいかない。彼は自分のことを一度も親とも保護者とも思ったことすらなかった。そもそも参考にするロールモデルもいないのだ。彼にとって親としての務めを果たすなど、目隠しで小惑星の中を進むようなもの、いやそれ以上に危険なことだった。早く息子が大きくなって、ミレニアムファルコンのハイパードライブの修理をみせてやりたい。あいつが自分の船を持つときには俺が選んでやるんだ。…そんな日が来るのが待ち遠しかった。しかし当面は、何もできない坊やをあやすだけの静かな時間が待っている。ごろつきのソロにはそんなのまっぴらごめんだった。

ハンはベンが生まれる前から、スキルや機械のノウハウをいつか誰かに伝えたいと夢見ていた。これまで飛ばした全ての船と乗り物に飾ってきたダイスのお守りがある。まだ赤ん坊の息子がそれをつかんだときはどこか誇らしく感じたものだ。しかし、ベンがパイロットとしての才能をみせたとき、それが自分から受け継いだものなのか、それとも坊やに流れるスカイウォーカーの血によるものなのか、定かではなかった。息子がもつフォースの感受性を誇らしく思ったのは確かだ。それでも坊やが叔父ルーク・スカイウォーカーの後にならい、新しく作られるジェダイ・オーダーに入ることを決めたときは、嫉妬心を隠しきれなかった。この老いぼれと一緒に銀河を旅する冒険の日々。そんなもっと単純な道もあったのに、だ。

© Lucasfilm Ltd.

少し長くなったのでレイの箇所は次回にする。

『Star Wars Skywalker ─ A Family at War』ソロの息子と闇の娘(その2)

Source: io9

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