ベンとレイとビッグ3

息子を失ったハンとレイア。弟子を失ったルーク。

そんな彼らの前に突如現れたのがレイだ。新たな可能性を秘めた名もなき少女だった。

親に捨てられ独りぼっちだった少女はハンと出会い、彼の中に父親の影をみる。ハンのほうも珍しくこの新入りを気に入り、船に残るよう声をかけた。だが、あの時点ではまだレイはジャクーに未練があった。いつか両親が迎えに来てくれるかもしれない…。そんな捨てきれない思いがあったのだ。

そのハンの命がスターキラー基地にて奪われる。目の前でおきた悲劇だ。しかもそれをしたのは他ならぬ息子だった。レイの理解を遥かに超えた出来事だ。

くしくも少女は自分に不思議な力が宿っていることを知る。気が付けばレジスタンスの希望の象徴となっていた。意図せず銀河の争いの渦に巻き込まれていくのだ。こうして少女は姿を消した伝説のジェダイを探す旅へと出た。

ジェダイの始まりの地オクトー。そこでついに伝説のジェダイと対面を果たすのだが、レイの想像とは少し違っていた。レイの言葉をあざ笑うかのような冷笑的な態度をみせる。ファーストオーダーと戦うために手を貸す気などさらさらないようだ。堕ちたジェダイマスターはそのような世俗の争いに興味はなかった。

しかし嫌々ながらも、結局はこの少女に“レッスン”を与えることを決める。ジェダイマスターと新入りのささやかな交流が始まった。

ふたりの対話を通じて、徐々に過去の出来事がひも解かれる。いったいなぜジェダイ・テンプルは崩壊したのか。ベンとの間になにがあったのか。ルーク・スカイウォーカーが姿を消した原因がついに明かされていくのだ。

一方、ベンも苦悩の旅を続けていた。スノークは、父を殺すことが苦しみを終える唯一の方法だと言ったが、それは真っ赤な嘘だった。試練を越えたところで生まれたのは新たな迷いだ。さらに弱くなった気すらするのはなぜだろう。すっかり沼にはまり込み、身動きがとれなくなってしまっていた。だが、もう後戻りはできない。この闇の中で前に進むしかないのだ。

レイに話を戻す。この師弟ジェダイの関係は非常にユニークだ。普通はマスターが導くものだが、レイの場合は少し違っていて、ふたりの会話からはどこか対等な間柄にすら思えてくる。実はここに巧妙な仕掛けがある。一見、弟子が成長する流れにみせかけておきながら、その裏では師の試練も同時に描いていたのだ。ルークが抱えていた葛藤と過去の呪縛。それがオクトーにおけるテーマでもあった。

ヨーダとの再会を通じて、ついにルークは囚われの過去から解放される。そのルークが最期のときに選んだのはベンだった。ハンと同じだ。残された時間をベンに使い、同時にレジスタンスに希望を示した。こうして伝説のジェダイはこの世を去っていった。

これはレイアも同じだ。残されたわずかな力を振り絞り、銀河を隔て遠く離れたベンに届こうとした。最後に選んだのは弟子ではなく息子のほうだった。それでも母は息子を許したのだ。

父ハン・ソロ、師ルーク、母レイア。三人が示した尊い自己犠牲の精神。そしてこれにダメ押しとなるのがレイのヒーリングだ。命を差し出す覚悟があってのおこないだった。

ベンのライトサイド帰還に至るまでにはこの連鎖があった。旧世代の英雄と新ヒーローのレイ、そしてそれらと絡み合う“堕ちた息子”ベン・ソロの数奇な運命。親子と師弟に加え、疑似親子とフォースの兄妹まで描いてみせたのだ。いやはや随分とドラマチックに仕上げたものだ。

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「ベンとレイとビッグ3」への2件のフィードバック

  1. ここのところマンダロリアンを上げて、シークエルに冷たい批評家の言葉ばかり聞いていたので、シークエル好きとしては、こうした考察嬉しいです。ベンの帰還という大きな筋を追うと、ぐっときます。

    1. ありがとうございます。俺もシークエル好きなので、多分自分が読みたいものを書けば同じ想いの人に伝わるかなーなんて思って続けてます。

      レイとベンの関係性は本当に上手く計算されてましたね。ふたりの年齢差ってレイアとハンと同じで出会ったときは19歳と29歳なのだけど、こういうのも意図的に配置されてるはず。

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