ハイ・リパブリック関連作品のフラグシップといえる小説『Star Wars: Light of the Jedi』の第一章が公開。
当初、8月の開始を予定していた『ハイ・リパブリック』シリーズは、残念ながら来年1月にまで延期となってしまった。個人的にはとてもガッカリしていたのだが、それもつかの間、先月下旬にいきなり最初のチャプターが公開され、逆にこちらがビックリしてしまった。
しかも、通常よくある“一部抜粋”などではなく、「プロローグ」と「チャプター1」がそっくりそのまま披露されており、これはぜいたくなサプライズといえるかもしれない。
で、読んでみた感想としては…これはなかなか期待できそう!『ハイ・リパブリック』の到着がさらに楽しみになってきた。
『Light of the Jedi』の著者はチャールズ・ソウル。ハイ・リパブリックのプロジェクトを指揮する人物とあり、本小説はハイ・リパブリック関連のフラグシップといえる作品だ。
この記事ではあらすじと感想に加えて、著者チャールズ・ソウルのコメントも簡単に紹介したいと思う。
Light of the Jedi

プロローグ
時はハイ・リパブリック。同じ志をもつ者たちが集まる平和的な世界。全ての声に耳を傾け、政治も強制や恐怖ではなく同意によってなされていた。野心に満ち溢れた時代にあり、文化が花開き、偉大な発明が生まれたのもこのときだ。
だが、外の世界にはまだ見ぬ未知の世界が広がっていた。人はそれをアウターリムと呼ぶ。勇敢なものはチャンスを求め、危険もかえりみず、いまだ整備されていないハイパースペースレーンを旅した。
最高議長リナ・ソー(Lina Soh)は銀河の支配をアウターリムにまで広げることを誓い、野心的な試みを打ち出した。その政策のひとつがスターライト・ビーコンだ。平和の守護者、ジェダイ・ナイトは辺境の法と支配を守るべく、アウターリムにアウトポストを築き、助けを求める人たちに手を差し伸べようとする。
最果ての地ではジェダイが最後の砦となる。コルサントのジェダイ・テンプルからの助けもなく、外の世界からは独立したアウトポストだ。悪を阻止するのは彼らの肩にかかっていた。
ジェダイ・オーダーの騎士にかなうものなどいない。だが、それに挑む者がいつの時代も必ず現れる…。
とプロローグはこんな感じ。
アウターリム開拓プログラムの一環として、ジェダイ・オーダーは辺境地にアウトポスト「スターライト・ビーコン」を設置。本作の主人公たちはこのステーションに配置されており、なにやらここで物語がひも解かれるようだ。
チャプター1
最初の章という性質上、特にストーリーが進むわけでもないし、ついでに言うとジェダイも一切登場しないのだが、それでも「大災害」(Great Disaster)と呼ばれるハイ・リパブリック作品における最重要イベントがいきなり勃発するという激しい始まりだ。
以下、チャプター1の内容を簡単にまとめたいと思う。
アウターリムを目指す、宇宙船レガシー・ラン。船内は子供から大人まで、新天地での生活を夢見る入植者たちでごった返していた。物語はヘッダ・カセット船長の視点で語られる。
ハイパースペースの中を進む一行。何気ない旅のひとときが描かれる。入植者を運ぶだけの簡単な仕事のはずだった。そう、あの出来事が起きるまでは…。
突如、アラームが鳴り響くコマンドセンター。非常事態のなにかが発生した。外を流れるハイパースペースは赤く染まっている。ナビコンピューターは進行中のハイパースペース上に“障害物”があることを告げる。衝突までわずか10秒…。
決してあり得ないことが起きた。メートル単位まで綿密に計算され、瓦礫もなにもない完全に安全なレーンだった。仮に微細な見過ごしがあってもすぐさま検知され、それに応じてただちにルートの調整がおこなわれることになる。すでに確立されたハイパースペースレーンでライトスピードの衝突が起きるなど、数学的にあり得ないことだった。
ヘッダ・カセット船長はすぐさま操縦かんを握り、手動操作に移行する。機体を小さく傾ける。
船は障害物を間一髪のところで通り過ぎる。衝突はない。ヘッダ・カセットは全員の命を救ったのだ。
だが、ここでメタルを引き裂く音が鳴り響く。船はすでに限界を超えていた。
ヘッダはコマンドパネルをタッチし、積載物の各区画を切り離す。先ほどまで子供たちが遊んでいた光景が脳裏をよぎる。あの子たちはアラームが鳴った後、無事に居住スペースに戻ることができたのだろうか?彼らが今、親たちと一緒にいることを祈る…。
ブリッジが吹き飛ぶ。これがヘッダ・カセットの最期だった。はたして子供たちの命が救われたのか。それは定かではない。
…とこんな感じだ。
『ハイ・リパブリック』シリーズは小説とコミックで展開される書籍プロジェクトなのだが、ここでキーイベントとなるのが“大災害”と呼ばれる出来事だ。この非常事態に対処する黄金時代のジェダイの物語、というのが作品を超えた共通のテーマとなる。
どうやらこの大災害の発端となったのが、小説冒頭の事故であるようだ。
これについて著者チャールズ・ソウルは次のように話す。
ハイ・リパブリックの世界が大きく変わる瞬間だ。レガシー・ランの破壊がきっかけで銀河広域の惨事につながってしまう。破壊された輸送船の破片がとてつもないスピードでハイパースペースから飛び出してくるのだ。危険ながれきのミサイルがアウターリムからコアの世界まで、いつ何時、どこに現れるか分からない状況だ。
この危機に際し、リパブリックは平和と正義の使者であるジェダイに助けを求める。
どうもイメージ的には『最後のジェダイ』のホルド特攻が銀河のいたるところで発生するという感じなのかもしれない。
また、この危機がやがて別の大きな出来事につながっていくとのこと。
『Light of the Jedi』のオープニングでは悲惨な災害が描かれる。そして命を助け、危機を終わらせるべく奮闘するリパブリックとジェダイの勇敢でスリリングな様子が語られていく。
だが、これは単なる始まりにすぎない。レガシー・ランの災難から、さらに大きなストーリーが幕を開けるのだ。大きなサーガのワンピースといってもいいだろう。
はたしてこの大災害がいったいどんなストーリーに発展していくのか。これは全く予想できない!
チャールズ・ソウルにとって初小説となる作品だが、実際にチャプター1を読んでみて、チャールズ・ソウルはキャラクター描写がとても上手であることが分かった。たった一章しか登場しなかったヘッダ・カセット船長だが、すでにこのキャラクターに感情移入してしまったくらいだ。
というわけで、自分としてはこの小説にも『ハイ・リパブリック』プロジェクトの行方にも特に心配はしていない。チャールズ・ソウルから生み出されるジェダイのストーリーが、今からもう楽しみだ。

ところで『Light of the Jedi』の注目ポイントといえば、やはりなんといってもアヴァー・クリス(Avar Kriss)の存在だろう。ジェダイ黄金期といわれるハイ・リパブリック時代だが、その中でもエース級のジェダイと目されるのがアヴァー・クリスだ。
以前のキャラクター紹介では「スーパーウーマン設定」との感想をもってしまったのだが、はたしてチャールズ・ソウルはこのキャラをいったいどんな感じに料理していくのか。性格や立ち振る舞いetc。これらが全く想像つかないだけに、その辺も楽しみにしている。
Source: IGN
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